無意識を活用したアルコール依存症の治療

シェアする

竹内 薫,丸山 篤史著のこちらの本を読みました。

人間が情報をどのように扱っているのかを、

生命科学と脳科学の視点から探るとても面白い本です。


99.996%はスルー 進化と脳の情報学 (ブルーバックス)

この本の中に、無意識を活用したアルコール依存症の治療について書かれている一節がありました。

アルコール乱用の画像を見たときに、

振り払う、押しのける動作をただ繰り返すだけで、

アルコールを拒否する感情が高まってリハビリ効果が上がるというものです。

133ページから引用

無意識が感情に影響する⁉︎

冗談はさておき、こうした「無意識が感情に及ぼす効果」を応用すれば、自分の意思だけでは抗いがたい生理的欲求に、意思の力で対抗できる可能性がある。最近は、薬物の乱用が社会問題になっているが、中でもアルコール中毒の禁断症状は、相当きついらしい。その上、社会復帰して何年も経ってから、再発することもあるほどだという。

こうしたアルコール乱用者のリハビリ効果を高める目的で、ある実験が試された。難しいことではない。たくさんの画像をモニター上で繰り返し見てもらうだけだ。まず患者さんにアルコールが乱用されている画像を見せる。意味を考えさせたり、何かを答えさせたりするわけではない。ただ、大きなレバーを払いのけるように腕で倒すことが、次の画面への切り替えスイッチだっただけだ。そうした腕の動作は「振り払う/押しのける」という「何かに抗う」ときに使う筋肉である。この訓練を受けると、1年後の再発率が下がり、より反射的にアルコールの摂取を避けることができたそうだ。無意識が、「抗う」動作を通じて、アルコール乱用と「抗う」感情を連結させて、リハビリ効果が上がったと解釈されている例である。スゴイぞ、無意識。

この手法はアルコールに対してだけでなく、

その他の行動や思考にも効果がありそうです。

例えば自分の中に消した方が好ましい悪い癖や思考がある場合、

それが頭に浮かんだときに、「振り払う/押しのける」腕の動作をすれば、

それを弱めることができそうです。

なので、自分自身でこの方法を実験してみようと思います。

今の自分の改善したいポイントに、実際に使って試してみますね。

効果のほどはまたご報告します!

スポンサーリンク