お酒を飲みすぎて見捨てられた人

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よく受けるご相談の中で

「大量飲酒を繰り返し、周りから人が離れてしまいました」

「お酒がやめられずに、いつの間にかひとりぼっちになってしまいました」

というものがあります。

また

「お酒をやめた後、迷惑をかけた人たちにどのように謝ればいいですか」

「お酒をやめたら、人間関係を元通りにできますか」

という質問もいただきます。

これらについて私からの見え方をお伝えしておきます。

お酒をやめられずに見捨てられる

長い期間無理な飲酒を続けると

周りから人が離れていきます。

本人からすると

「長い期間お酒がやめられなくて、周りの人に迷惑をかけてしまった。そのせいで家族や親しい人から見捨てられてしまった」

そのように感じるかもしれません。

しかし、その様子を側から見ていると少し印象は違います。

依存症者が周りの人から見捨てられたのは、

「お酒を飲みすぎて迷惑をかけたから」

ではなく

「自分で自分の未来を見捨てたから、

周りの人にも見捨てられた」

私の目からすると、このように映っていたりします。

もし、あなたが周りの人に見捨てられたのなら、

それは、あなたが「自分で自分の未来を見捨てた」ところから始まっている気がするのです。

「自分の未来を見捨てる」とは、

自分の未来を諦めること、

自分の未来の可能性を信じないということです。

「この人、自分で自分の未来を諦めてるいるんだな」

そういうのは、他人にも伝わってしまいます。

周りの人はなんとなくそれを感じます。

だからあなたから離れていったのかもしれません。

迷惑をかけたことは悪いことなのか?

周りの人が、あなたとの関わりが嫌になったのは、

「迷惑をかけられた」ことだけが原因ではないでしょう。

周りの人があなたから離れていったのは、

あなたが自分の未来を諦めていることが悲しかったからだと思います。

だから

「あなたとはもう一緒にいたくない」

と感じたのだろうと思うのです。

言い換えれば、

「お酒で迷惑をかけるあなた」に失望したのではなく、

「未来を諦めているあなたの姿」に失望した、

ということです。

家族とか友人とか、

近しい人間関係においては、

迷惑をかけられることは特別なことではありません。

近しい間柄ですから、

巻き込まれたり、影響を与え合ってしまうのは普通のことです。

それをいちいち「迷惑をかけるな」なんて怒ったりはしないものです。

例えば、

好きなことや興味のあることに向かって動いている人が近くにいると、

その人の行動のせいで周りの人まで予期せぬトラブルに巻き込まれる、ということはよくあります。

「あの人といるとしょっちゅう予想外のことに巻き込まれる」

そんな友人がいたという経験がある人もいるのではないでしょうか。

もちろん、巻き込まれる側からすれば迷惑ではあるのですが、

好きなことや興味あることに向かって動いている人にかけられる迷惑は、

意外と大目に見られたりします。

「まあ、しょうがないか」

「あの人といると色々なことが起きるな」

そう笑って許してくれたり、失敗をフォローしてくれたりする人は多いものです。

なぜなら、好きなことや興味のあることのために行動している人というのは、自分の未来を大切に扱っているということだからです。

自分の未来を大切に扱っている人は、基本的に周りの人から応援されます。

自分の未来を諦めた人

しかしそれとは逆に、

自分の未来を見捨てた人と一緒に時間を過ごすのは結構きついことだったりします。

自分の未来を諦めた人の行動は、

他人にも影響を与えてしまいます。

周りの人の未来にも影を落とします。

みんな一人一人が、自分の未来を大切なものとして扱っているのに、目の前で自分の未来を雑に扱う人がいる。

そういう人と時間を過ごすと周りの人は、

自分達の未来も雑に扱われたような感覚がしてきます。

普通の人たちにとって、自分の未来を諦めている人の行動はやるせないのです。

きれいな花を踏みにじって時間を潰しているように見えます。

可愛い子猫をいたぶって時間を潰しているようにも見えます。

「どうしてこの人は大切な未来を自分で壊すんだろう?」

行動の意味がわからなくて、悲しくなるのです。

そして、そんな未来を諦めた人と一緒にいることが苦しくなっていくのです。

決めつけるなよ

もう一度言いますが

もし、あなたがお酒をやめられなくて周りの人から見捨てられているとしたら、

それはあなたが自分で自分の未来を諦めているからなのかもしれません。

こんなことを書くと、

「そんなことはない!」

「自分はただお酒がやめられないだけだ!」

「なんでそんなことを決めつけるんだ!」

「お前に何がわかるんだ、偉そうに言うな!」

そのような反発が生まれたかもしれませんが、

まあ、少なくとも、

私の場合はそうだったのだなと思っています。

私がお酒を飲んでいたのは、

自分の未来を自分で見捨てていたからなんだろうなと。

自分自身、お酒をやめて一番変わったのはそこなのかもしれません。

今は自分の未来を雑に扱うことがなくなりました。

私が、「自分は二度とお酒を飲むことがない」と確信しているのは、

あの頃には戻りたくないからです。

自分の未来を雑に扱った、あの毎日は思い出しただけでも辛く苦しかったからです。

お酒をやめた後で謝った方がいい?

さて

お酒を飲んで他人に迷惑をかけてきた人は、

お酒をやめてからその人たちに謝ったほうがいいのだろうか?

という問題ですが、

私は、謝らなくていいのかなと思っています。

もしあなたがお酒の飲み過ぎで、

家族や友人に迷惑をかけてきたのだとしても、

別に後からその人たちに謝罪したりしなくてもいいと思います。

「もう二度と飲みません反省してます」

「昔のことはもう許してください」

「もう一度私を信じてください」

お酒をやめた後で、

周りの人にそんなことをいう必要はないと思います。

先ほども述べましたが、

そもそも前提が違うのです。

「あの頃はお酒を飲んで迷惑をかけました。

本当にごめんなさい」

そうじゃないんです。

問題の原因は、

「自分の未来を雑に扱っていた」

ということなんです。

まずはあの頃の自分に謝ってあげるのが先でしょう。

「自分で自分の未来を見捨ててしまってごめんね」

そして、

自分で自分の未来をもう一度強く信じてあげるようにしてください。

他人にかけた迷惑は、

それだけでチャラになると思います。

あなたの未来、誰かの未来

あなたが自分で自分の未来を信じられれば、

あなたの周りにまた人が集まってくると思います。

もちろん過去と同じ顔ぶれかはわかりません。

けれども、

あなたが自分で自分の未来を信じて笑えるなら、

必ずあなたの周りにまた人は集まってきます。

そしてあなたの周りでまた笑顔になってくれます。

自分の未来を信じられる人は、

他人の未来も信じてあげることができます。

自分の未来を信じられれば、

他人を勇気づけることだってできるようになるのです。

今、孤独な人へ

過去にお酒を飲みすぎてしまい、

あなたがもし誰かに見捨てられているとしたら。

「迷惑をかけてごめんなさい」と反省や謝罪をする前に、

「自分で自分の未来を信じているか」をチェックしましょう。

もし、自分の未来を諦めていたりしたのなら、

少しずつでいいので、信じてあげてみましょう。

そして自分の未来を信じられるようになったら、

次は同じように他人の未来も信じてあげましょう。

それだけで新しい人間関係が広がっていくはずです。

大切なことは

実際のところ、お酒をやめたとしても、

戻ってきてくれる人もいるし、離れたままの人もいると思います。

それでいいのです。

あなたに事情があるように、相手にも事情があるのです。

ですので、相手のこれからの未来を応援する気持ちを胸に秘める。

それだけでいいのです。

これから広がっていく人間関係の中で、たくさんの人を応援していけば、

今は離れた人ともいつかまた縁が生まれるかもしれません。

再び関係性が生まれるかもしれません。

戻る人、離れる人、さまざまかもしれませんが、

自分の未来を信じてあげて、他人の未来を信じてあげる。

あとは流れにまかせるだけでいいと思います。

お酒をやめるにあたって、謝罪や後悔は最小限で大丈夫。

はじめにすることは、自分で自分の未来を信じてあげること。

そこからはじまります。

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