飲酒欲求を消す方法

飲酒欲求を消す方法

今回は、禁酒開始から数日間に起こる飲酒欲求を、トランス状態を生成して消す方法について解説します。

※前回の記事の続きです。

https://pilot.tokyo/2025/12/28/post-1490/

禁酒初期に起こる飲酒欲求の正体

禁酒を始めての数日間、多くの人がつまずくのが、

突然湧き上がってくる強烈な飲酒欲求です。

理性では「もう飲まないほうがいい」「やめたい」と分かっているのに、

それとは無関係に衝動が出てきます。

この飲酒欲求にどう対処するかが、禁酒初期最大のポイントとなります。

ですのでこの飲酒欲求を消す方法として、トランス状態を生成してみましょう。

トランス状態とは何か

トランス状態とは、
目の前にある現実とは別の世界にリアリティを感じることでした。

たとえば、
・ドラマや漫画に没頭しているとき
・スポーツの試合に夢中になっているとき

私たちは目の前の物理的な現実から離れ、
別の世界に強い臨場感をおぼえています。

このとき、自然にトランス状態が生成されています。

 

一番手軽なトランスの作り方

トランス状態は、

現実感を移行させることで生成できますので

一番手軽にトランス状態を作る方法は、

五感に意識を向けること

となります。

私たちは普段、ほとんどの感覚を無視している

私たちは普段、膨大な感覚を脳で処理しています。

・足の裏の感覚

・手のひらの感覚

・匂い

・温度や湿度

・視界に入る無数のもの

・遠くで鳴っている小さな音

しかし、その99%は

「今の現実に関係がない」「重要性が低い」ものとして

無意識で処理されています。

異臭がしたり、

危険な物音がしたり、

極端に暑い・寒いなどの異変があれば、

それらは意識に上がります。

しかし普段は、

・職場

・家庭

・今考えている課題

こうした「重要だと判断された情報」や

「興味や関心を持っていることについての情報」が

「現実」として処理されています。

 

五感に意識を向けると、現実が切り替わる

この、普段は無意識で処理されている五感の感覚を、

意図的に意識するとどうなるのでしょうか。

脳の情報処理の優先順位が、

・職場・家庭・課題

といった

これまで「重要だ」と判断していたものから、

・触覚・嗅覚・聴覚

といった

五感の情報へと移行します。

その結果、

今まで「現実」だと感じていた世界から、

身体感覚が「現実」として感じられる世界へと切り替わります。

無意識で処理されている体の感覚を意識するだけで、

簡単にトランス状態は生成できるのです。

 

五感意識呼吸と、もう一つのやり方

この仕組みをまとめたものが、

『シン・お酒のやめ方』で紹介している五感意識呼吸ですが、

今回は、本では詳しく触れられなかった別のトランス生成法を紹介してみましょう。

 

トランス状態の作り方:歯磨き

禁酒・禁煙・ダイエットなど

衝動的な欲求への対処として、

意外と知られている方法があります。

それが 歯磨き です。

「タバコが吸いたくなったら歯を磨いたら我慢できた」

そんな話を聞いたことがある人もいるかもしれません。

これは、実際に効きます。

 

なぜ歯磨きが効くのか

タバコを吸いたい、酒を飲みたいという欲求は、

・吸わないと危険だ

・飲まないと体調が悪くなる

という 扁桃体(原始人の脳)が見ている「生命の危機」という世界 が発生源となっています。

そこで歯磨きをすると、

・口腔内の感覚

・音

・味

・匂い

といった 強い外部刺激 が強制的に入力されます。

すると脳の処理する対象が

「生命の危機の世界」の情報から

「口の中の感覚の世界」の情報へ切り替わり、

口の中の感覚がリアリティのある現実となってしまうのです。

これが現実の移行となります。

そして、このときトランス状態が生成され、

発生していた飲酒欲求も、現実が変わったために消えてしまいます。

禁煙や禁酒の衝動への対処に、暴飲暴食の刺激を使う人もいますが、

歯磨きならば、健康への悪影響もありません。

今回はこれをアレンジして、

禁酒初期の飲酒欲求を効率的に消してみましょう。

 

トランス歯磨き

トランス歯磨きは、

歯を磨きながら、意識を五感に順番に移していくだけの、とてもシンプルな方法です。

特別な技術も、集中力もいりません。

いつも通り歯を磨きながら、「感じる対象」を少しずつ変えていくだけです。

まずは、いつも通り歯磨きをスタートしてください。

①音に意識を向ける

歯を磨きながら、

そのまま歯磨きの音に意識を向けてみましょう

ブラシの擦れる心地よい音を感じながら、

電動歯ブラシならモーターの音にも耳を傾けてみましょう

ゆっくりと音を聞きながら歯磨きをします。

少しぼーっとしてくるかもしれません

それがトランス状態の入り口です

②味に意識を向ける

次は、です。

歯磨き粉の味を、

「どんな味だろう」と

あらためて感じてみましょう。

辛さ、甘さ、清涼感。

ミントの強さや、後味の残り方。

普段はほとんど意識しない歯磨き粉の味を、

「こんな味がするんだ」と、味わってみてください。

ゆっくり味を感じていると、

頭が少しぼわんとした感覚が出てくることがあります。

それも、トランス状態に入っているサインです。

③匂いに意識を向ける

そのまま、次は匂いに意識を向けてみましょう。

必要なら、歯磨き粉を少し足しても構いません。

どんな匂いなのか。

評価したり、分析したりする必要はありません。

ただ、「どんな匂いなのかな」と、感じようとすることに意識を向けてみてください。

④口の中の感覚に意識を向ける

次は、口の中の感覚です。

ブラシが歯に当たる感覚。

歯茎に触れる感触。

舌や頬の内側の感覚。

歯や粘膜の感覚を丁寧に感じてみましょう。

今までとは少し違った歯磨きの感覚になるはずです。

歯磨きを口の中の皮膚感覚、触感として感じてみましょう。

⑤視覚に意識を向ける

最後に、ブラシを動かす手を見てみます。

じっと見る必要はありません。

手にピントが合わなくてもかまいません。

ぼーっと、動いている手を眺めてみてください。

「見ている」というより、「視界の中の動き」としてで十分です。

ゆっくり、ぼんやり、

ただ手が動いているのを眺めてみましょう。

⑥そのままゆっくりと呼吸してみる

ここまでくると、

すでにトランス状態が自然に作られています

そのままの状態で、

呼吸をゆっくり、深くしていきましょう。

ゆっくり鼻で吸って、ゆっくり鼻で吐いて。

肩や首の力が抜けて、呼吸が落ち着いてきたら、

口をゆすいでトランス歯磨きは完了です。

飲酒欲求が消える

この時点で、「現実感」は、

扁桃体の感じていた世界から五感が感じる体感の世界へと移行しています。

禁酒で体調不良が起きているという扁桃体の現実もすでに消えて、飲酒欲求もすっかりなくなっているはずです。

もしまだ飲酒欲求が残っているようなら、もう一度トランス歯磨きを繰り返してみましょう。

 

では飲酒欲求を消すだけで禁酒できるのか?

このように、禁酒の初期に飲酒欲求がわいたとしても、

自分でトランス状態を生成するだけで、その飲酒欲求は消すことができます。

しかし、残念ながら

これだけでは禁酒はできません。

なぜなら、

トランス状態を生成して飲酒欲求を消しても、

そのままでは数分後には、

また飲酒欲求がぶり返してしまうからです。

 

なぜ飲酒欲求はぶり返すのか

アルコール離脱症状による体調不良は、

数日の時間経過を待たなければ消えません。

その期間中は、

扁桃体が体調不良に気がつくたびに、

飲酒欲求がわいてしまうのです。

飲酒欲求をトランス状態を作り消したとしても

体調不良に意識が向く

扁桃体が

「禁酒で体調が悪い=飲酒しないと危険」

と判断する

飲酒欲求が再発する

となってしまい

飲酒欲求を消す「モグラ叩き」を

延々としなければならないのです。

 

それでは休まる暇がなく、綱渡りの禁酒となってしまいます。

禁酒に必要な二つのステップ

ですので禁酒の初期には、

・飲酒欲求を消す技術

だけでなく

・体調不良に意識を向けない技術

も求められます。

つまり、

飲酒欲求がわく

トランス状態を生成して飲酒欲求を消す

体調不良とは別のことに意識や視点を固定する

このような

飲酒欲求を消して、飲酒欲求をおこさせない

流れが必要となるのです。

 

まとめ

・飲酒欲求自体は、トランス状態を生成すれば消せる

・ただし、離脱症状に意識・視点が戻ると飲酒欲求がぶり返す

・禁酒をするには

トランス状態の生成後に、「意識を離脱症状以外に向ける技術」が必要となる

次回は、

離脱症状・体調不良から意識や視点をずらす方法をお伝えします。

これができるようになると、

禁酒は一気に楽になります。


シン・お酒のやめ方: お酒をやめたその先へ

※本書は Kindle Unlimited 読み放題 対象タイトルです。

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