飲酒欲求は消せる?
禁酒がうまくいかない理由は、
意思が弱いからでも、根性が足りないからでもありません。
多くの人がつまずく本当の理由は、
禁酒中に襲ってくる 「お酒が飲みたい」という衝動の苦しさ です。
果たしてこの
「お酒が飲みたい」という気持ちや衝動は、
消すことができるのでしょうか?
トランス状態を使った禁酒という考え方
前回の記事では、
トランス状態を使って
飲酒に対する価値観そのものを書き換える方法 を紹介しました。
トランス状態に入ると、私たちは
• 信念
• 価値観
• 無意識のルール
といった、普段は触れにくい深い領域にアクセスできます。
その結果、
• お酒はいいものだ
• お酒を飲むと楽になれる
• 自分はお酒をやめられない
といった思い込みを、
• お酒は自分を苦しめてきた
• 飲酒は問題を先送りにしているだけ
• 自分はお酒をやめられる
という方向へ、無理なく書き換えることができます。
これは、
「考え方そのものを変えることで禁酒する方法」 です。
禁酒が失敗する本当の理由
ただし、トランス状態の使い道はそれだけではありません。
禁酒に、もっと直接的に効く使い方があります。
それは、
「トランス状態を作って、飲酒欲求そのものを消す」
という方法です。
禁酒が失敗する理由は、人それぞれに見えるかもしれません。
-
ストレスがたまった
-
仕事が忙しかった
-
人間関係がつらかった
でも、理由はどうあれ、
禁酒の失敗とは「お酒を飲んでしまった」ことです。
流れを整理すると、こうなります。
お酒を飲みたくなる
↓
衝動と必死に戦う
↓
耐えきれず飲んでしまう
つまり、
禁酒の失敗とは
飲酒欲求に負けてしまったこと です。
逆に言えば、
お酒を飲みたくならなければ、
禁酒は苦しくもなく、失敗のしようもありません。
「お酒を飲みたい」はどこから来るのか
禁酒中に突然湧き上がる、
あの強烈な「お酒が飲みたい」という感覚。
あれは、どこから来ているのでしょうか。
もちろん、理性ではありません。
「お酒はやめたほうがいい」
「もう飲まないと決めた」
それは、あなた自身が一番よく分かっているはずです。
それでも飲ませようとしてくる存在がいます。
それが、
脳の中の 扁桃体 です。
お酒をやめたときに起こる体調不良
お酒をやめると、体や心にさまざまな変化が起こります。
• 手の震え
• 発汗
• 不眠
• 動悸
• 吐き気
• 強い不安やイライラ
これらは、
アルコール離脱症状 と呼ばれるものです。
そして重要なのは、
これらの不調が「お酒を飲むと一瞬で消える」
という事実です。
私たちは過去の体験から、
「体調が悪いときに酒を飲めば楽になる」
という記憶を持っています。
扁桃体は、この体験を
命を守るための重要な記憶 として、強烈に保存します。
原始人の脳・扁桃体の判断
扁桃体の役割はとても原始的です。
• 危険を察知する
• 恐怖や不安を生む
• 生命を守る行動を選ぶ
いわば「原始人の脳」です。
扁桃体は、禁酒中の体調不良をこう判断します。
禁酒したら体調が悪くなった
↓
これは命の危険だ
↓
今すぐお酒を飲め
これが、
禁酒中に扁桃体が見ている世界です。
だから飲酒欲求は、生命維持のため
強烈な命令として現れる のです。
扁桃体が作り出す「仮想現実」
現実には、
禁酒をしても命の危険はありません。
けれど扁桃体は、
「禁酒=生命の危機」という世界を
現実だと感じています。
このズレが、
禁酒の苦しさの正体です。
ですので、禁酒では
飲酒欲求と戦う必要はありません。
やることは一つだけです。
「あ、今は扁桃体が暴走しているな」
と気づくこと。
トランス状態で飲酒欲求を消す
トランス状態とは、
今の現実とは別の世界に現実感を移すこと でした。
• ドラマに没頭しているとき
• 映画や漫画の世界に入り込んでいるとき
私たちは自然に、
目の前の現実から離れています。
禁酒中も、同じ仕組みを使ってみましょう。
飲酒欲求が湧いたら、
意図的にトランス状態を作る。
それだけで、
アルコール離脱症状=生命の危機
という扁桃体の誤認が解除され、
「お酒を飲め」という命令そのものが消えます。
新しい禁酒
この視点を持てば、禁酒はこうなります。
飲酒欲求を感じる
↓
扁桃体の暴走に気づく
↓
トランス状態で扁桃体の暴走を解除する
禁酒はそれを繰り返すだけの、
シンプルなゲームになります。
次回は、
このトランス状態を自分で作る具体的な方法
について書いていきます。
※この記事は、noteにも掲載しています。
※本書は Kindle Unlimited 読み放題 対象タイトルです。
